聖徳太子のようになろう!

   2020/11/05

B0156571-6843-412D-9DDA-39D35FE390F6現在、歴史の教科書では厩戸皇子と記載されている「聖徳太子」には様々な逸話が残っています。

有名なものは「10人の話を同時に聴くことが出来た」というエピソード。

真偽の程は確かめようがないですが、そんな超人的な話が伝承されるくらい立派な人物だったということなんでしょうね。

楽器を演奏する際、実はこれに似た能力を必要とされている!というのに気付いている方はどれくらいいるでしょうか?

「演奏する」という単一の行為だと誤認している方も多いように感じます。演奏時に認知しなければいけない事柄をざっと列挙します。

1、楽譜を読む: 目前に譜面を置いているか、置いていないかに関わらず曲に関する全ての情報を読み取ることは必要不可欠です。
2、身体を動かす: 指や手だけでなく、それらをスムーズに、そして正確にコントロールするための身体の動きを感じとる必要があります。

3、聴く: 自分が発している音を聴くことは、楽譜を読んで想像した通りに演奏出来ているかどうか?の判断材料になります。

以上でしょうか。なーんだ、たった3つじゃないか!と思った方。3つの要素をさらに細かく分類していくと、10個以上になりますよ。

1、楽譜をから何を読み取るか?
テンポ、調性、拍子、メロディー、ハーモニー、リズム、ダイナミクス、運指、曲の構造、音色 etc

2、身体の動き
左指、右指、左手・右手の使い方、左右腕の位置、構え方(重心、頭の位置、足の位置、座り方) etc

3、どうやって聴くか?
両耳で音が聴こえているか?自分の音がどれくらい聴こえているか?聴き手の立場で聴こえているか?

以前のブログで集中力と注意力の話をしましたが、集中力が高まり過ぎ(過集中)だと、例えば「テレビに夢中になっていて、家族が何度も声を掛けているのに気がつかなかった。いつの間にか無視された!と憤慨され・・・」という状態になります。

演奏に置き換えると

「自分がどんな演奏をしたのか全く覚えていない」

「合奏してたら、いつの間にか自分だけが全然違うところを弾いていた」

「録音を聴き直したら、えっ?こんなところ間違えてたの?と愕然とした」

というような事例でしょうか。

最初から全てのことに気付ける人はいません。一方で自分はひとつも出来ていないのでは?と決め付けるのも良くないです。お茶を飲みながらテレビを見る、お菓子を食べながら仕事をする、など日常生活でも複数のことを同時進行させているはずです。

現在私もお茶を飲みながら、お菓子を傍に置き、練習しつつ、ブログを書いています(笑)

楽器を演奏している時点で、皆さんは「聖徳太子に一歩近づいている」のです。

今あなたは何人の声が聴こえている感覚ですか?

もし3人なら、次は4人。もし10人の声が聴こえているなら、再度確認したりしながら練習を進めてください。

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