夢と目標を忘れない

   2020/11/05

1989年1月8日から始まった「平成」、当時私は小学5年生でした。あれから月日が経ち、振り返って見ると私のギター人生は平成始まってから本格的にスタートしました。

子供の頃からプロのギター演奏家になるという夢を追いかけていた私にとって、九州・長崎に住んでいたため唯一の情報源は現代ギター誌でした。子供心に眺めながら、都会にはすごいギタリストがたくさんいるんだろうなあという羨望の眼差しと、いつかこの雑誌に取り上げてもらえるような奏者になる!ということが細やかな目標の一つでもありました。

0C53B91B-AB0B-4C24-A5B8-76F6F240A842その現代ギター誌に初めて登場したのが1989年8月号(もしかしたら9月号?)でした。小学6年生になった私は、初めて東京でギターを演奏する機会を得ました。第20回新人賞選考演奏会(現クラシカルギターコンクール)、会場は旧第一生命ホールでした。課題曲はソルのメヌエット(予選)、テデスコのタランテラ(本戦)、自由曲はソルの魔笛の主題による変奏曲でした。

 

E7A34C21-9232-47AE-B94C-613D7407BD76まだ小学生だった私にとっては、東京で多くの人達の前でギターが弾ける!くらいの気持ちでした。そんな無欲な目標が演奏に表れたのか、本戦出場者に選んでいただき、当時の審査員長の伊福部昭先生に特別賞を頂きました。写真はその時の賞品です。何度か壊れたりしたのですが、その都度自分で修理をし、今でも大変重宝しています。

左側にあるツマミを回せばすぐに高低が変わるので使いやすいです。

8AA4EF9A-5F65-4F2F-B605-04004696E3E2 翌年にもう一度同じコンクールにチャレンジしました。中学に進学して間もない5月6日(日)でした。今年のような長期間ではなかったですが、当時としては珍しい4連休の最終日。会場はバリオホール(水道橋)、課題曲はグラナドスのアンダルーサ(予選)、バッハのリュート組曲第1番(本戦)、自由曲はタンスマンのカヴァティーナ組曲でした。

前年の暮れに挑戦した別なコンクールで悔しい思いをした私にとって、目指すは第1位!と心に迷いはありませんでした。最終的には亡くなられた佐藤弘和さんと決選投票で第1位を頂くことになりました。その時の喜びは今でも鮮明に覚えていて、終演後に泊まっていたホテルに戻ってからも興奮で眠れませんでした。

その後翌年に地元でデビューリサイタルを開いたり、最初のCDをリリースしたり、高校・大学と進学した後、どうしたらもっと上手くなれるか?その答えを見つけるために単身ジュリアード音楽院へ留学したり、など振り返るとまだまだ沢山の思い出を綴ることになりますが、それはまたの機会にするとして・・・

いろんな悲喜交々の思い出が詰まった平成。「上手くなりたい。プロになりたい」という夢を抱き、その時に心に浮かんだ具体的な目標を目指して精進してきました。

明日から令和に変わるにあたって、皆さんはどんな夢、目標を持ちたいですか?

「多くの人達に目標にされるような音楽家になりたい」という目標を心に刻もうと思います。

 

 

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